野球スコアブックの付け方とは?記号の意味は?初心者でもわかる書き方を解説
(※この記事は、2023年10月18日に更新されました。)
野球の試合経過の記録に欠かせないスコアブック。
球場に足を運ぶと、スコアブックを付けながら野球観戦するファンを目撃することもある一方で、野球に詳しくてもスコアブックに使う記号の意味や付け方は分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、野球スコアブックの付け方や記号の意味について詳しく解説します。
スコアブックの付け方に興味がある方はもちろん、少年野球や部活の試合でスコアラーを担当する機会があるであろう選手の親御さんや野球部のマネージャーの方にも必見の内容となっています!
スコアブックの付け方をマスターしたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
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スコアブック・スコアシートとは?使い方やその役割
野球のスコアブック・スコアシートとは、試合の経過を記録していくノートのことです。
多くは試合をリアルタイムで観戦しつつ記録していくのですが、すばやい記録を実現するために簡潔な記号を使うのが特徴であり重要なポイントです。
なぜ記号を使うのか?というと、文字を使って細かく内容を記載していては試合展開に間に合わない上、後から読み返しづらくなってしまうためです。
スコアブックは、試合の振り返りができるだけではなく、チームの投手・打撃成績やデータ、プレーの特徴を把握するための資料にもなります。
「早稲田式」と「慶応式」
野球のスコアブックには、以下のように書き方の違いがあります。
早稲田式
慶応式
早稲田式は一つひとつのマス目がさらにそれぞれの塁に分かれているスタイルのスコアブックを用います。
一方で、慶応式のスコアブックはマスの中に区切りがなく、マス目の中いっぱいに経過を記録していくスタイルです。
こちらの記事では、より一般的かつ見た目にもわかりやすい早稲田式の方法を紹介していきます。
野球のスコアブックの基礎知識
野球のスコアブックをつける時に必要な基礎知識には、以下のようなものがあります。
マス目の意味
守備位置の番号
マス目に記入する記号
多くの番号や記号がありますが、書きながら少しずつ慣れていきましょう!
基礎知識1:マス目の意味
野球のスコアブックには、マス目がずらりと並んでいます。
たくさん書く場所があるし難しそう!と感じるかもしれませんが、各マスには以下のように何を書くべきかはっきりと決まっているため、覚えてしまえば問題ありません。
「塁の結果」というのは、たとえば1塁に到達した流れやアウトになった流れを記載する場所、という意味です。ここに、守備位置の番号や次の項目で紹介する記号を記載していきます。
中央のひし形と周りに記載すべき「塁の結果」の配置は、グラウンドの塁の配置と同じ様になっているため、視覚的にもわかりやすいのではないでしょうか。
基礎知識2:守備位置の番号
スコアブックには、どのようなプレーが行われたか記録する場面において、守備位置の番号を記載する必要があります。
その際に使う番号は以下のようになっていますので、覚えておきましょう。
1:ピッチャー(投手、P)
2:キャッチャー(捕手、C)
3:ファースト(一塁手、1B)
4:セカンド(二塁手、2B)
5:サード(三塁手、3B)
6:ショート(遊撃手、SS)
7:レフト(左翼手、LF)
8:センター(中堅手、CF)
9:ライト(右翼手、RF)
-
D:DH(指名打者)*
*DH(Designated Hitte)とは、野球の試合において攻撃時に投手に代わって打席に立つ、攻撃専門の選手のことで、守備にはつきません。スコアブックでは数字でなく大文字の「D」と表記されます。
たとえば、キャッチャー(2)がボールを取ってファースト(3)に投げてアウトにした場合は、「2-3」と塁の結果のマス目に記載します。
また、ボールの方向を示す際にも守備位置の番号を使います。
基礎知識3:マス目に記入する記号
上記で紹介したマス目には以下のような記号を記載します。
ボールカウントの記号
中央のマスに記載するアウトや得点に関する記号
各塁のマスに記載する記号
これらの記号を使うことで、試合の経過を素早く記録していくことができるのですね。
ボールカウントの記号
スコアブックをつける上では、ボールカウントのマークを覚えておく必要があります。
たとえば、以下のようなマークを用いて、「ボールカウント」のマスにカウントを記録していきます。
◯:ストライク
●、ーなど:ボール
V:ファール など
球種(ストレートやカーブなど)や見逃しストライク、空振りストライクなどによってカウントの記号を変えるケースや、チームごとにマークが異なる場合もあるようです。
さまざまな書き方があるため、チーム内で確認して共通のマークを使ったり、「より細かく思い出せるようにしたい」などの自分の希望に合わせて書き方を変えたりしてみるのがおすすめです。
中央のマスに記載するアウトや得点に関する記号
中央のマスに記載する記号には、以下の6種類があります。
その時の試合状況に応じて、必要な記号を書いていきましょう。
Ⅰ:1アウト
Ⅱ:2アウト
Ⅲ:3アウト
◯:得点
●:自責点
ℓ:残塁
各塁のマスに記載する記号
各塁のマスには、以下のような記号で試合経過を記録していきます。
【打席の結果】
B:フォアボール
DB:デッドボール
K:三振
Ʞ:振り逃げ
K₃:3バント失敗
【打撃の結果】
∪:ゴロ
∩:フライ
ー:ライナー
【進塁の結果】
BK:ボーク
PB:パスボール
WP:暴投(ワイルドピッチ)
ケ:牽制
S:盗塁(スチール)
CS:盗塁失敗
DS:ダブルスチール
【ベースを表す記号】
A:1塁
B:2塁
C:3塁
D:本塁
【その他の記号】
E:エラー
F:ファール
IFF:インフィールドフライ
IF、#など:打撃妨害
T.O:タッチアウト
IP、✕など:守備妨害
PR:代走
PH:代打
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野球のスコアブック・スコアシートの書き方【初心者向け】
それでは、実際のスコアブックの書き方を紹介します。
こちらの項目では、以下のようにいくつかの見出しに分けてスコアブックの記入方法を解説していきます。
準備するもの
試合前に必要な記入事項
試合の経過の記録方法
解説に入る前に、プロ野球の公式記録員が実際どのようにスコアブックを記入しているのか、密着した動画を以下で紹介するので、興味のある方はぜひご覧ください。
準備するもの
まずは、スコアブックを書く時に必要なものを準備しましょう。
スコアブックをつける際に必要なものは以下の通りです。
スコアブック
筆記用具(黒・赤など2色あると良いです)
野球チーム.JPなどのようにスコアシートをダウンロードできるサイトもありますので、用意して実際に書いてみましょう!
必要であれば、さらにバインダーなどを用意すると書きやすいかもしれません。
試合前に基本情報を記入しよう
試合前には、以下のような基本情報をスコアブックに記載しましょう。
日付
大会名
球場名
相手チームの名前
天候
審判の名前 など
試合の経過を記録していこう
試合が始まったら、実際の経過を先程紹介した記号を使って記録していきましょう。
基本的には、記号を使ってボールの方向を表したり、それぞれの塁で発生した出来事を記録したりしていくイメージです。
ボールカウントの記入
ボールカウントのマスに、上から順にボールカウントを記入します。
1球目がストライク、2・3球目がボールの場合、以下のように書いていきます。
アウトになった場合
たとえば、すでに1アウトしていて、サードゴロで2アウトになった場合、サード(5)ゴロ(∪)をキャッチしてファースト(1)に投げることでアウトになるため、以下のような表記になります。
守備が自らベースを踏むことでアウトにした場合(ベースカバー)、守備番号とともにそのベースを表す英字を記載します。
たとえば、ファーストがボールを取って一塁を踏んだ→「3A」といった具合です。
タッチアウトの場合は、「3T.O」というように記載します。
実際には、上記の図のように、打撃の結果の記号とともに記載するとよいでしょう。
ヒットが発生した場合
ヒットが発生した場合は、中央のひし形のマスを進んだ塁の分だけ赤ペンなどでなぞります。
以下の図は2ベースヒットの場合ですね。
ホームランの場合は、ひし形をすべてなぞればOKです。その場合は得点になるため、中央のマスには◯(得点)または●(自責点)を記載しましょう。
犠打・犠飛の場合
犠打の場合は守備位置の番号を四角で囲み、犠飛であれば三角で囲みます。
エラーが発生した場合
エラーの場合、エラーした野手の守備番号の後ろに「E」と記入します。
たとえば、サードゴロの捕球エラーの場合は、「5(下に∪)E」と記載します。
進塁した場合
他の打者の打席によって進塁した場合は、カッコと漢数字で以下のように表現します。
以下は、三番打者の打席結果によって進塁したという意味ですね。
選手交代が起きた場合
代打や代走などの選手交代が起きた場合は、該当するタイミングの部分に波線を引きます。
波線を引いたら、代打ならPH(Pinch Hitter)、代走ならPR(Pinch Runner)と記載した後に選手の名前を書きましょう。
投手が交代する場合は、相手チームのマス目に記載します。
野球のスコアブックの書き方に関するよくある質問
ここでは、野球のスコアブックの書き方に関するよくある質問をまとめています。
気になる項目があれば、是非参考にしてください。
野球のスコアブックは必要ですか?
野球のスコアブックに書くことは何ですか?
野球 スコア何式?
野球のスコアブックは必要ですか?
試合の経過を記録するうえで、スコアブックは欠かせない存在です。
また、ただ経過を記録して試合を振り返るためだけでなく、スコアブックに記入した情報を元に、出場した投手や野手の特徴やチームの戦術・傾向などさまざまな情報が得られます。
野球のスコアブックは、試合経過の記録はもちろん、データの分析にも役立てることができるのです。
野球のスコアブックに書くことは何ですか?
試合経過を記録する前にまずは、日付やチーム名、出場選手、球場名、必要に応じて審判の名前、観客数、天候やグラウンドのコンディションなどさまざまな情報をスコアブックに記入する必要があります。
試合中は、ボールカウントをはじめ一球ごとにその投球や打撃、走塁や守備の結果など起こった出来事を記入する必要があります。
野球 スコア何式?
野球のスコアブックは、「早稲田式」と「慶応式」の2種類の記入方法に分かれています。
一般的に普及していて、広く使われているのが「早稲田式」で、日本のプロ野球(NPB)の公式記録員に用いられている記入方が「慶応式」です。
多くの人にとってまだあまり馴染みのない「慶応式」の記入方法についてはNPBが公開している以下のサイトをご参照ください。
まとめ
今回は、野球のスコアブックの付け方について詳しく解説しました。
スコアブックの付け方を覚えることで、選手の特徴が見えてきたり、さまざまなデータを収集できるようになるので、今までとは違う視点から野球を楽しむことができると思います!
1球ごとに状況を把握しながら記録をつけなければならないので、最初はすらすら記入するのが難しいかもしれませんが、数をこなすことで簡単にこなせるようになります。
スコアブックの付け方をマスターしたい方は、ぜひ球場やテレビの野球中継を観ながらスコアブックの記入にチャレンジしてみてください!
最後に、手軽に総当たり戦やトーナメントの対戦表を作成できる「ダイアモンドスケジュール」をご紹介します。
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