スポーツ外傷に備える!応急処置の基本をマスターしよう
(※この記事は、2023年7月19日に更新されました。)
スポーツを楽しむうえで、ケガはつきものです。
しかし、正しい応急処置を行うことで、スポーツ外傷の被害を最小限にとどめることができます。
本記事では、スポーツ外傷の基本知識と、RICE処置による応急処置法を詳しく解説します。
さらに、スポーツ外傷を予防するための具体的な対策についてもご紹介します。
また、本記事では、公益財団法人スポーツ安全協会の「救急ハンドブック」を基に紹介します。
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スポーツ外傷とは
スポーツ外傷(スポーツ障害)とは、過度な運動による筋肉や関節の損傷、転倒や衝突による骨や軟組織の損傷、疲労による筋肉疲労や筋肉断裂などの要因によって引き起こされる怪我の総称です。
骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷、筋肉痛、関節痛など、さまざまな種類があります。
一般的な症状には、痛み、腫れ、内出血、関節の可動域制限などがあります。
これらの症状が現れた場合は、早めの適切な処置や医療の受診が必要です。
スポーツ外傷の種類
本記事では下記の3種類について解説します。
・すり傷、切り傷
・突き指
・捻挫
それぞれ確認していきましょう。
すり傷、切り傷
すり傷や切り傷で一番注意が必要なのは、出血を止めることではありません。
異物が入っているかどうか、内部が汚れていないかを判断することです。
傷口からの感染は、すり傷や切り傷で一番先に防ぎたいことです。
主な症状:
傷口の状態をよく観察することが重要です。
出血が続いているか、傷は比較的きれいなのか、傷口に異物が混入しているかどうかなどを観察するとともに、末梢部位の血行、しびれ(神経麻痺)の有無、全身状態も把握します。
応急処置:
砂や土などが混入している場合は、まず第一に傷口を近くの水道水などでよく洗います。
特に傷に土などが食い込んでいるような場合は、ガーゼなどで取り除きましょう。
その後、イソジンなどの消毒液があれば傷を消毒し、ガーゼや大きめの絆創膏などで覆うようにします。
なお、切り傷では絆創膏などで傷を閉じるようにして寄せておくとよいでしょう。
傷口が大きく縫合が必要な場合や、出血が止まらない場合、痛みがひどい場合は、医療機関を受診してください。
突き指
「突き指」とは、指先に物が当たったり、引っかかったりして衝撃を受けて起こるケガの総称です。
小さなボールを扱う球技では薬指、中指、大きなボールを扱う球技では小指、スキーでは親指によく起こります。
主な症状:
指先の部位と衝撃を受けた際の力の強さと方向などによって症状は変わります。
指先の関節(第1関節)の突き指では、指先が曲がって変形し、完全に伸ばせなくなることがあります。
第2関節の突き指では、側副靭帯の一部が切れた場合は、関節に腫れと痛みがあります。
完全に断裂した場合はグラグラと不安定になり、指は横に曲がるようになります。
応急処置:
すぐに安静にして、どの指のどの関節に起こったかを確認します。
指が関節から明らかに横に曲がっていたり、上下でずれている場合は脱臼が疑われます。
ただし、安易な判断で引っ張ったりして整復(元の位置に戻すこと)を試みず、医療機関を受診しましょう。
まず、洗面器やバケツなどに氷水を張って直接、指を入れて冷やします。
器がなければ氷を入れた氷嚢やビニール袋で指を挟むようにします。
患部が低い位置にならないように冷やします。
第2関節の変形があったり、骨折が疑われるような場合は、適切なサイズのシーネ(関節や骨折部など患部を安静にするために用いる適当な幅と長さと厚みの固定用具)を当て、弾性包帯やテープで固定します。
突き指を起こした場合は、これらの応急処置を行い、症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。
捻挫
「捻挫」とは、言葉の通り、捻って挫くことです。
関節は、骨と骨とが靭帯によってつながれています。
靭帯が何らかの外力(関節にかかる無理な力)によって引き伸ばされて、正常な動きの範囲を超えてしまうことで切れたり、傷ついたりすることがあります。
主な症状:
次のような症状がひとつでもあれば、捻挫を疑いましょう。
・関節を本来動く方向へ動かそうとすると痛む(運動痛)
・患部を押すと痛む(圧痛)
・静かにしていても痛む(自発痛)
・患部周囲が腫れている(腫脹)
・関節がガクガクし、不安定な感じがする
応急処置:
本人が最も楽な(寝かせたり、座らせたり)姿勢で、すみやかに患部を観察しながら、手当を始めましょう。
まず、痛みのある部分に腫れや変形がないかどうかを確認します。
大きな変形がある場合は脱臼や骨折も疑われます。
次に、関節をゆっくり動かすことができるかを確認します。
大丈夫であれば、本来動く方向へ支えながら、やさしく、ゆっくりと動かしてみます。
さらに、異常な音がしないかを確認します。
ゴリゴリと骨が触れ合うような音がしたり感じたりする場合、骨折が疑われます。
最後に、関節がグラグラしていないかを確認します。
関節が不安定な状態になっていれば靭帯が断裂している疑いがあります。
いずれの場合も、この後に紹介する「RICE」処置を行ってください。
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RICE処置:スポーツ外傷の応急処置の基本
RICE処置とは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の4つの頭文字をとった言葉です。
これは、捻挫や打撲などの外傷に対して行う応急処置です。
Rest(安静)
運動を中止して安静にすることは、損傷部位の障害を最小限にするためにも重要です。
運動を継続すると、受傷した組織はさらに損傷を受け、損傷部位は拡大し、損傷程度は著しくなります。
内出血を起こしている場合には、その腫れはひどくなり、機能回復を遅らせることになります。
局所の安静を保つためには、ブレスやシーネでの固定、三角巾などを使って、患部をしっかりと固定できるとさらに良いでしょう。
受傷部位周辺のリラクゼーションが得られ、痛みやスパズムのサイクルが緩和されます。
Ice(冷却)
ケガした箇所を冷却することにより、痛みを和らげて腫れを防ぐことができます。
冷却にはアイスパックやクラッシュアイスを使用します。
アイスをビニール袋や氷嚢に入れ、できるだけ空気を抜いてしっかりと閉じます。
注意点として、アイシングは20分を目安に行うことが挙げられます。
ケガの初日は1時間ごとに行い、2〜3日目は6回程度を目安にしてください。
ケガから3日間はアイシングを続けてください。
また、長時間継続すると凍傷のリスクがあるため、注意しましょう。
Compression(圧迫)
ケガした部位を弾性包帯などで圧迫することで、内出血や腫れを最小限に防ぐことができます。
ただし、あまり強く圧迫しすぎると血行障害を起こしたり、神経麻痺を起こしたりするので注意してください。
またスポンジ(U字パッド)などがあれば、それをケガの部位にあてることにより、より効果的に腫れを防ぐことができます。
Elevation(挙上)
ケガしたところを心臓より高くすることで、ケガした部位に血液がたまることを効果的に防ぐことができます。
足の場合は枕などで挙げ、上肢の場合は三角巾などで腕をなるべく高い位置に保つようにします。
スポーツ外傷の予防
怪我を防ぐために重要なのがしっかり予防を行うことです。
・適切なウォーミングアップ
・適切な装備の使用
・適度な休息と回復
それぞれ確認し、怪我を防ぐようにしましょう。
適切なウォーミングアップ
適切なウォーミングアップは、怪我やスポーツ障害を予防するために非常に重要です。
ウォーミングアップは、スポーツや運動を始める前に体を準備するための活動であり、筋肉や関節の柔軟性を高め、血液の循環を促進し、身体の温度を上げる役割を果たします。
具体的には、軽い有酸素運動を行うことが重要です。
ジョギングやサイクリングなどの活動によって心拍数が上がり、体温が上昇します。
これによって筋肉と関節が温まり、柔軟性が向上します。
また、静的ストレッチや動的ストレッチを取り入れることも効果的です。
これによって筋肉の伸縮性が向上し、ケガのリスクを低減することができます。
適度なウォーミングアップを行うことで、身体のパフォーマンスが向上し、スポーツ外傷のリスクを軽減することが期待できるでしょう。
自分に合った道具の使用
自分に合った道具を使用することも怪我を防ぐうえで重要です。
自分に合った道具とは、自分の体格や技術に合った道具を指します。
例えば、テニスをするなら、自分の体格に合ったラケットを使い、自分のサイズに合ったシューズを使う必要があります。
自分に合った道具を使用することで、怪我のリスクを減らすことができます。
また、自分に合った道具を使用することで、スポーツのパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
適度な休息と回復
適度な休息と回復は怪我の予防はもちろん、スポーツをするうえでも欠かせない非常に重要な要素です。
適度な休息とは、運動を行った後、十分に休息をとることです。
適度な回復とは、運動を行った後、筋肉や関節を休ませ、回復させることです。
スポーツや運動によって疲労した筋肉や組織は、十分な休息と回復の時間を必要とします。
継続的な運動やトレーニングを行う場合、十分な休息を取ることで筋肉の成長や修復が進み、ケガのリスクを低減します。
十分な睡眠や休息時間を確保し、疲労を感じた場合には適度な休息を取るよう心がけましょう。
スポーツでケガをしたら冷静に応急処置をしよう!
本記事では、スポーツ外傷の基本知識と、RICE処置、ケガを予防するための具体的な対策について解説してきました。
スポーツで負傷してしまった場合は、冷静にかつ適切に応急処置を行い、怪我の悪化を防ぐことが重要です。
打撲や捻挫などの外傷には、RICE処置を行います。
RICE処置とは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字を取ったものです。
応急処置を行った後も、痛みや腫れ、出血などの症状がある場合は、医療機関を受診するようにしましょう。