アスリートのメンタル面をサポート!スポーツカウンセリングとは?
(※この記事は、2023年4月19日に更新されました。)
「最近聞くスポーツカウンセリングってどんなもの?」
「アスリートのメンタル面ってどうサポートするの?」
こんな疑問を持っている方はいるでしょうか。
スポーツ(メンタル)カウンセリングはアメリカをはじめ、海外では一般的に広まっています。特にここ数年は、アスリートのメンタルヘルスが国際的な関心ごととなりました。それに伴い、日本でもスポーツカウンセリングが広がってきています。
とはいえ海外と比べると、まだ国内での認知度は低く相談窓口も多くないのが現状です。スポーツカウンセリングの必要性や、仕事内容についてあまり知らない方も多いでしょう。
そこで今回はスポーツカウンセリングについて、仕事内容や必要な資格をご紹介します。
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スポーツカウンセリングの役割はアスリートのメンタルケア
スポーツで最高のパフォーマンスを発揮するには、フィジカル面と精神面を整えることが必要です。
これまで社会的に「アスリートには強い精神力がある」と考えられてきました。ですが、さまざまな研究の結果、プロスポーツ選手をはじめアスリートのメンタルヘルス不調は決して珍しくないことがわかってきたのです。
心理面のバランスが崩れると身体が思うように動かないうえ、ストレスを抱えたり、場合によってはオーバートレーニング症候群や統合失調症につながることさえあるでしょう。
スポーツカウンセリングではアスリートの持つ悩みや不安を解決し、症状の緩和を図ります。アスリートのメンタル面をサポートすることで、最高のパフォーマンスが発揮できるよう導くのです。
スポーツカウンセラーの仕事は「一緒にいる」こと
スポーツカウンセラーとは、スポーツカウンセリングを行う人のことです。アスリート本人がクライアント(相談者)となることもあれば、チームメイトや指導者、監督が対象となるケースもあります。
スポーツカウンセラーの仕事内容は、大きく2段階に分けられます。
まずは信頼関係を築くことからスタート
どんな人でも初対面の相手に対して悩みを打ち明けるのは、なかなか難しいでしょう。そのためまずは、クライアントとの間に信頼関係を築くことから始めなければなりません。
信頼関係を築くには、たとえば以下の方法があります。
練習や試合に参加する
競技内容を理解する
選手の性格を知る
チームの特性を知る
クライアントが所属する環境についての理解が足りなくては、問題解決や症状の緩和に導くこともできません。クライアントと一緒に過ごす時間を増やし、相手のことをよく知っていきましょう。
話を聞く時はカウンセリングとコーチングの技術が必要
信頼関係が築けたら、いよいよ話を聞く段階に移ります。この時必要なのは、アドバイスではありません。相手の話を傾聴する「カウンセリング」「コーチング」の技術です。
悩み解消に導くための「カウンセリング」
カウンセラーとの対話を通して、クライアントの悩み解決を導いていくのがカウンセリングです。カウンセラーはクライアントが話す不安や悩みを受け止め、共感しながら、過去の問題点に焦点を当てていきます。
カウンセリングを受けることで、以下のような効果があります。
話すことで心が軽くなる
自分で気づいていなかった面に気づける
現状を整理することができる
最終的にはクライアント自身が悩み解決の糸口を見つける、あるいは気持ちの整理をつけることが目標となります。
未来の目標を達成するための「コーチング」
カウンセリングでは主に過去のことについて話しますが、コーチングでは未来に目を向けた話をします。具体的な質問や未来に関する質問を投げかけ、目標達成のための道筋を見つけるのです。
クライアントの話を傾聴する
クライアントの話をもとに新たな質問をする
コーチングの基本はこの繰り返しです。そのなかでクライアント自身に目標を達成してもらうことが、最終的なゴールといえます。
こうしてスポーツカウンセラーとクライアントは、長い時間を共に過ごします。そしてクライアントに「一緒にいることで安心する」「話を聞いてくれる人がいるから大丈夫」という気持ちを抱いてもらうことが、スポーツカウンセラーの仕事といえるでしょう。
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スポーツカウンセラーにおすすめの資格4選
スポーツカウンセラーとして働くには、特定の資格は必要ありません。そのため、なり方もさまざまです。とはいえ資格を持っていれば、相手に信頼感を与えることができます。スポーツカウンセラーとして働くうえでおすすめの資格は、以下に紹介する4つです。
①認定スポーツカウンセラー
日本臨床心理身体運動学会が認定
3級、2級、1級の順に取得する
こちらは日本で唯一のスポーツカウンセラー資格で、取得するには中学以降で継続6年以上、通算8年以上の運動歴が必要です。
受験の必要はありませんが、通常のカウンセリングよりも専門性が求められ、資格認定にはかなりの学習や経験が求められるでしょう。また、2級以上を取得することは、個人だけでなくチームに対しても心理的サポートができる証となります。
②スポーツメンタルトレーニング指導士
日本スポーツ心理学会が認定
スポーツメンタルトレーニング指導士、スポーツメンタルトレーニング上級指導士の順に取得する
資格の有効期限は5年間(更新あり)
スポーツメンタルトレーニング指導士は、メンタルトレーニングを通してアスリートの心理的サポートを行います。日本スポーツ心理学会に在会しており、大学院でスポーツ心理学などを学んだ方が対象となる資格です。
書類審査や講習会、講座の受講を経ることで認定され、認定後は「スポーツメンタルトレーニング指導士名簿」に登録されます。
③臨床心理士
臨床心理士は指定された大学院や専門大学院を卒業した方、医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上の方が対象となります。スポーツ界だけでなく、病院や学校、児童相談所などさまざまな分野で活躍できる心の専門家です。
一次試験はマークシートと論文記述、二次試験は口述面接で、試験の難易度は高いといわれています。反面、取得しておけば心理系の職業で幅広く活かすことができるでしょう。
また、臨床心理士の多くが公認心理師という資格を取得しています。仕事内容は似ていますが、この2つの違いは、臨床心理士が民間資格で公認心理師は国家資格であるという点です。
④メンタルヘルス運動指導士
日本スポーツ精神医学会が認定
メンタルヘルス運動指導員、メンタルヘルス運動指導士の順に取得する
資格の有効期限は5年間(更新あり)
こちらは2020年にできた、比較的新しい資格です。スポーツ精神医学会員であることが条件で、医師や看護師、理学療法士などさまざまな職種の方が取得しています。
講習では気分障害や統合失調症の基礎知識や、精神障害者のスポーツについて学びます。主に精神障がいを抱える方が安全にスポーツを行うための資格なので、仕事面では精神科の患者が対象となるでしょう。
スポーツカウンセラーの収入事情
現在の日本において、スポーツカウンセラーの認知度はあまり高くありません。プロのスポーツチームや強豪大学のスポーツチームに所属するか、フリーランスとして活動している人が多いでしょう。
そのため、収入事情は人によって差が大きいです。スクールカウンセラーの平均年収は300万円〜400万円ほどといわれていますが、スポーツカウンセラーの平均年収データはほとんどありません。
またフリーランスの場合は、収入が不安定な面もあります。チームに所属する場合も、契約期間が決まっているでしょう。収入を安定させるためにはスポーツカウンセリングだけでなく、ほかの心理系職業と掛け持ちするのも一つの方法です。
アスリートにはフィジカル面とメンタル面のサポートが必要
アスリートはフィジカル面とメンタル面が整っていてこそ、最高のパフォーマンスが発揮できます。ここまで紹介してきたスポーツカウンセリングは、メンタル面のサポートにおける重要な役割を担っています。
日本でもスポーツにおける心理サポートの重要さが認知され始めており、スポーツカウンセリングは今後ますます広がっていくでしょう。
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