スポーツ業界におけるデータ分析の役割や活用事例を解説!
今回は、スポーツにおけるデータ分析について解説します。
データの分析、そして活用は、今や多くの業界で欠かせない存在となっています。
それは、スポーツ業界でも例外ではありません。
試合の戦略や選手のパフォーマンス向上、そしてファンとのコミュニケーションに至るまで、データ分析は多くの場面で活用され始めています。
従来、スポーツで勝つためにはより優秀な選手を集めたり、経験や勘によって戦略を構築したりすることが重視されていましたが、近年ではデータ分析によって効率的な戦略を立てることも重要になってきました。
この記事では、スポーツの世界におけるデータ分析の役割と、具体的な活用事例について紹介していきます。
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スポーツ業界で増えているデータ分析とは?
データ分析というとビジネスでの場面を思い浮かべる、という方も多いかもしれません。
しかし、データ分析は、スポーツ界でも、ビジネスでデータを活用して成果を上げるのと同様に選手やチームの能力向上などに活用され始めているのです。
実際、Forbesの情報によると、スポーツ分析、スポーツアナリティクスの市場規模は2022年には約40億ドルに達するとのこと。
このことからも、スポーツにおけるデータ分析の重要性と可能性が示されていますね。
日本でも、Jリーグやプロ野球のデータを収集・分析・提供し、多数のスポーツアナリストも在籍するデータスタジアムのようなスポーツデータ専門の会社があるなど、スポーツ業界におけるデータサイエンスの需要は高まり続けています。
また、スポーツでデータ分析というと上記に挙げたように試合や選手の能力を伸ばすという部分が注目されがちですが、それだけではありません。
観客のデータを分析することでファンとのつながりを深めるといったマーケティング戦略にも活用されています。
このように、データ分析はスポーツ業界でも選手やチームのパフォーマンス向上のみならずマーケティングの視点でも大いに役立つものなのです。
参考:How Data Analysis In Sports Is Changing The Game
スポーツにおけるデータ分析にはどんなものがあるの?
スポーツにおいて活用されるデータ分析の内容には、大きく分けて以下のようなものがあります。
パフォーマンス分析
試合戦略の最適化
ファンのデータ分析
選手の健康管理 など
パフォーマンス分析
パフォーマンス分析は、選手の持つスピードや、技の成功率といったパフォーマンスデータを分析することです。
このパフォーマンス分析を行うことにより、選手一人ひとりの長所と短所を明らかにし、最適なトレーニングプログラムを設定することができます。
試合戦略の最適化
データ分析により試合の対戦相手の弱点を見つけ出すことで、戦略を調整して最適化することが可能です。
たとえば、現在では選手のデータや試合のアーカイブなどの情報を入手することができるため、こういったデータを使って「相手がどのような行動をしてくるか?」などを予測して戦略を立てられるのです。
ファンのデータ分析
ファン・観客の行動をデータ化して分析することで、どのようなマーケティング戦略を取るべきか考えることもできます。
たとえば、スタジアムに来場するのはどのような観客なのかというところから、SNSでファンがどのような内容で盛り上がっているのかなどを分析することで、ファンの行動や趣味を把握できるのです。
選手の健康管理
チームを強くするためには、選手の健康管理も欠かせません。
近年では、ウェアラブルデバイス(身につけて利用できる時計型などの機器)などを用いて選手の心拍数や睡眠時間などを分析できるようになっています。
その他にも、入力することで選手のトレーニング負荷や疲労度を分析できるアプリケーションなどもあるため、こういったツールを使って選手の健康を継続的にモニタリングし、ケガの予防などに役立てることができるのです。
スポーツ×データ分析 〜事例紹介〜
スポーツにおいても、さまざまな場面でデータ分析が活用されていることがわかりましたね。
それでは、実際スポーツ業界では一体どのような形でデータ分析が行われているのでしょうか。
今回は、以下の3つの活用事例を紹介します。
セイバーメトリクス
GPSデバイスの活用
選手のケガを防ぐためのデータ活用
では、それぞれのデータ分析方法の特徴を見ていきましょう。
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1. セイバーメトリクス
セイバーメトリクスは、野球における様々なデータを統計学的に分析し、選手の評価や試合の戦略などに役立てる手法のことを指します。
これは1970年代に野球ライター・野球統計の専門家であるビル・ジェームスによって提唱されたもので、アメリカ野球学会「SABR」(Society for American Baseball Research)と統計学 (metrics) を組み合わせた造語です。
従来、野球における選手の評価は、打撃成績が重要視されており、守備や走塁での貢献が軽視されがちでした。
しかし、セイバーメトリクスでは、打撃だけでなく守備や走塁のデータも詳細に分析し、選手の全体的なパフォーマンスを評価できます。
そうすることで、より客観的に選手の本当の貢献度を測ることができるというわけです。
他にも、フォームの画像解析やボールの回転数、配球や打球分析などさまざまなデータが集められており、選手個人もそのデータをもとに自身のプレーを分析できるため、今後もデータは野球界において重要な役割を担うこととなるでしょう。
セイバーメトリクスについてはさまざまな論文が書かれていますので、読んでみるのも楽しいかもしれませんね。
2. GPSデバイスの活用
サッカーやラグビーなどのスポーツでは、GPSを使ったデータ分析が行われています。
GPSは、Global Positioning Systemの略で、人工衛星を使った位置情報の測位システムです。マップアプリなどを使っている方は、耳にしたことがあるかもしれませんね。
このGPSは、選手の動きや運動量の負荷などをチェックするのに活用されています。
具体的には、GPSを用いて選手の移動速度や距離などを取得し、合わせてウェアラブルデバイスで心拍数などを計測することで、どの運動をしたときに負荷がかかっているかなどを確認する、といった具合です。
目で見て判断していた選手の移動速度などをGPSを利用することで数値として見られるようになったことで、より客観的に選手を評価したり、トレーニングの計画を立てられるようになりました。
3. 選手のケガを防ぐためのデータ活用
選手のケガを防ぐ用途でも、データ分析は活用されています。
たとえば、アメリカンフットボールでは「デジタルアスリート」というAIを活用して、選手の脳震盪を防ぐ工夫がなされています。
具体的には、選手同士が接触した際の姿勢や速度などを分析することで、どうしたらケガや脳震盪を避ける動きができるかを導き出せるというわけです。
データに基づいて姿勢や動作を指導することで、選手も納得して改善に取り組むことができます。
その他にも、ケガを防ぐためにデータを活用する取り組みは野球やサッカーでも行われています。
このように、データ分析を活用することで、選手の大事な資本である体を守ることもできるのです。
データ分析を取り入れてスポーツをより楽しみましょう!
今回は、スポーツにおけるデータ分析について解説しました。
データ分析は、選手のパフォーマンスをさらに高めるためのツールとしてだけでなく、ファンとのつながりを強め、スポーツをより楽しむための手段としても使用されています。
今後もさらにAIやデータ収集の技術が進み、それによってスポーツのあり方も変化していくかもしれませんね。
従来の手法の良さやチーム内の関係性なども合わせて考慮しつつ、データ分析を取り入れていくことでより効率的に戦略を立てることができるのではないでしょうか。