スポーツマーケティングとは?最新の成功事例と行う際のポイントを解説
(※この記事は、2023年4月28日に更新されました。)
今回は、スポーツマーケティング事例を紹介します。
スポーツ好きは一見、多く存在するように見えます。
そのため、マーケティングなどしなくてもファンや観客の獲得は可能なのでは?と考える方もいるでしょう。
しかし、すべてのスポーツ好きが実際にチームを応援したりスタジアムやドームまで足を運んで観戦したりするというわけではありません。
そのため、スポーツにおいてもマーケティング施策を実行して、新規ファンや既存ファンとの関係を構築していく必要があるのです。
本記事では、そもそもスポーツマーケティングとは?というところから、スポーツマーケティングのポイントなどについても解説していきます。
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スポーツマーケティングとは?
「スポーツマーケティング」とは、スポーツ関係者が自分たちのチームやイベントなどを消費者に広く知ってもらい、取り上げてもらうことを目的としたマーケティングの一種です。
スポーツ団体を存続させるためには、新規ファンの獲得や既存ファンとの関係構築を通して資金を得る必要があります。
そのため、団体はさまざまな施策を実施し、集客を行っているのです。
その他にも、企業がプロスポーツチームを利用して自社の認知度を上げることを目的としたマーケティングがあります。
同じ地域のスポーツチームのスポンサーになるなどもこれに該当しますね。
このように、スポーツマーケティングとはスポーツ団体が運営のために実施するものと、企業がスポーツを活用して行うものがあります。
スポーツマーケティングの特徴3つ
では、スポーツマーケティングは、一般的なマーケティングとどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、スポーツマーケティングの特徴を3つご紹介します。
1. ライブマーケティング
一般的なマーケティングであれば、計画して実行するまでに時間をかけることが可能です。
しかし、スポーツ業界のマーケティングの場合、試合が行われている最中にもSNSなどを利用して選手やロゴをアピールしながら配信したり、試合の興奮を会場にいない人にも伝える必要があります。
ライブマーケティングは非常にやりがいのある楽しい施策ですが、同時にライブ配信であることから、ミスをしてしまうことが許されないというプレッシャーもあります。
2. 熱狂的な反応
特にスポーツ観戦中は、スポーツチームのファンたちは熱狂的な感情を持っていることが多いです。
その感情はネガティブにもポジティブにもなりますが、ファンのポジティブな反応を得られた場合、そのマーケティングキャンペーンは非常に効果的なものとなります。
最近では、デジタルマーケティングの特徴の1つ、「キャンペーンによって生み出されたファンの中での会話をトラッキングすること」でより効果的なマーケティングキャンペーンを行うことが可能になっています。
3. スポーツ選手のアイデンティティ
スポーツ選手は、ファンにとって憧れの人、アイドルです。
ファンは、スポーツ選手が普段身につけているものや愛用しているブランドを真似したいと思います。
例えば、アメリカのバスケットボール選手レブロン・ジェームスのファンであれば、Nikeをスポーツウェアとして購入します。
参考:How is sports marketing different from traditional marketing?
スポーツマーケティングの活動例4つ
上記で説明したように、スポーツマーケティングには「スポーツチームの認知度向上、チームの売上向上のためのマーケティング」と「スポーツ選手やチームのブランドを活用して行う企業のマーケティング」が存在します。
ここでは、スポーツマーケティングには具体的にどのような活動があるのかをご紹介します。
1. スポーツイベントのスポンサー
代表的なものは、スポーツ大会やイベントのスポンサーシップです。
企業はスポーツ大会やイベントに協賛することで企業のロゴを大きく会場で宣伝できたり、試合の休憩時間にスクリーンでCMを流したり、ブースを設けて製品やサービスをイベントの参加者に宣伝する機会を得ることができます。
2. スポーツ選手・チームのスポンサーシップ
企業は、スポーツ選手やチームのスポンサーになることで自社の製品やサービスを選手やチームを通して宣伝することができます。
例えば、選手にスポーツ用品やプロテインなどを無料で贈呈しスポンサー料金を払うなどの契約でスポーツ選手やチームはスポーツ用品を身につけ自身のSNSなどを通してファンに宣伝します。
企業は効果的なスポンサーシップのために選手のブランドなどを見て自社の製品のイメージに合っているかを確認します。
3. スポーツ関連商品の販売
一方でスポーツチームは、チームオリジナルのスポーツ関連商品などを販売することでチームの知名度を上げたり、ファン層の拡大などを行うことができます。
特定のファン層を増やしたい場合は、そのファン層の注目する商品やサービスは何かを見極めることで効果的なスポーツ関連商品を販売することができます。
4. スマートフォンやSNSでデジタルマーケティング
また、デジタルマーケティングはスポーツ業界においても重要なマーケティング手法です。
例えば、試合のライブストリーミング、選手のトークショーをオンライン配信、Youtubeチャンネルを開設し、スポーツ選手の日常を配信などをすることができます。
さらに、チームのオフィシャルサイトやアプリを使ってコンテンツを配信したり、デジタルチケットを販売、ファンとのコミュニケーションをとる場所を提供なども可能です。
このように多くの可能性があるデジタルマーケティングに取り組むことで、チームはファンとの接点を増やし、エンゲージメントの向上が期待できます。
そしてデジタルマーケティングはマーケティングの効果測定が簡単できるという点も魅力の1つです。
参考:What is Sports Marketing? Major types of Sport Marketing
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スポーツマーケティングの最新事例3つ
本項目では、スポーツマーケティングの最新事例を紹介していきます。
実際のスポーツ団体が行っているマーケティング施策には、どのようなものがあるのでしょうか?
次の3つの事例から、スポーツマーケティングのポイントを学んでいきましょう。
1. パ・リーグ
2. 広島東洋カープ
3. B.LEAGUE
1. SNSを活用!パ・リーグのスポーツマーケティング
引用:球審を突き飛ばすも素早いフォロー… できる男は1秒切る(パーソル パ・リーグTV公式)
プロ野球のパ・リーグでは、新規ファンを獲得するためにPLM(パシフィックリーグマーケティング)を立ち上げました。
結果として、2019年時点で1470万人だったファン数を2020年には1600万人まで増加させることに成功。
パ・リーグが実施しているのは、ストリーミング配信やYouTubeなどのコンテンツ配信や、コラボによる集客です。
YouTubeの「パ・リーグTV」では、試合のハイライトや面白シーンなどを配信。
球場に足を運ぶユーザーが平均40〜50歳であるのに対し、YouTubeのチャンネル登録者は24歳以下が半数を占めています。
動画配信コンテンツを活用することで若年層にもアプローチできる事例になっているとも言えますね!
2. 可愛いグッズ!広島東洋カープのスポーツマーケティング
出典:広島カープ
プロ野球球団の広島東洋カープでは、グッズ戦略や新たなスタジアム建設などのマーケティング施策を実施し、収益を生み出すことに成功しています。
広島東洋カープのグッズ戦略では、圧倒的なグッズ数と常に新商品を生み出すことで2017年には54億円もの売上を記録しました。
さらに、新たに建設された本拠地であるMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島は、寝ながら観戦ができるゾーンやお化け屋敷などが楽しめるエリアなどがあり来場者を増やしています。
また、カープ女子と呼ばれる女性ファンも話題になりました。
カチューシャなどの特別グッズの可愛さも相まって、広島出身者だけではなく関東の女性ファンも増加しています。
3. Twitterでファン投票!B.LEAGUEのスポーツマーケティング
出典:Bリーグ
男子プロバスケットボールリーグのB.LEAGUEでは、若者をターゲットにさまざまな施策を実施することでファン数を増やしています。
10〜30代の若年層をターゲットにしたマーケティング施策では、専用アプリの活用やTwitterなどのSNSを利用したデジタルコンテンツの提供を実施。
Twitterでは、月間のMVPを決定するファン投票でユーザーの興味を引いています。
拡散性の高いTwitterでハッシュタグ#を利用して投票を行うことで、新たなファンの獲得も期待できるのですね。
また、お試し視聴のできる生配信も行なっており、興味を持ったユーザーが覗きやすい点もポイントです。
4. スポーツマーケティングでブランド確立に成功したレッドブル
エナジードリンクの「Red Bull」は、ブランドが無名の時からスポーツマーケティングに力を入れてきました。
そのマーケティングの特徴は、「マイナースポーツの支援」です。
Red Bullが注目したのは、すでに有名なスポーツのファンを獲得することではなく、「マイナースポーツのファンやアスリートと共にスポーツシーンを確立していく」という長期的な目標でした。
スポーツマーケティングの一環としてレッドブルはF1,アイスホッケー、ビーチバレー、スキージャンプなどのマイナースポーツに全体の売上の1割を投資をしています。
このレッドブルのまずは少人数のターゲット(マイナースポーツファン)をターゲットにしてファンの数をアスリートやチームと共に育てていくという従来のマーケティングの逆の発想がレッドブルのスポーツマーケティングの最大の強みです。
参考:売上の1割以上をスポーツイベントにつぎ込むレッドブルのマーケティング戦略
スポーツマーケティングを成功させるポイント3つ
ここまで、3つのスポーツマーケティングの成功事例を紹介してきました。
以上の事例から、スポーツマーケティングを成功させるためには、以下の3つのポイントが重要であることがわかります。
1. チームや選手を身近に感じられるサービスを提供する
2. SNSを活用する
3. データの収集と活用
それでは、ひとつずつ解説していきます。
1. チームや選手を身近に感じられるサービスを提供する
多くのスポーツマーケティングの成功事例では、ファンがよりチームや選手を身近に感じられるようなコンテンツを提供しています。
従来のようにスポーツを観戦するだけではなく、YouTubeやTwitterを通して選手のプライベートな一面を見ることで、より身近に感じられるという人も多いでしょう。
ファンとチームの距離が近づくことで、ファンの応援したいという気持ちや定着率が大きくなります。
このように、スポーツマーケティングでは、ユーザーがさらにチームや選手に対して親近感を覚え、よりファン化していくようなコンテンツの提供が重要です。
2. SNSを活用する
スポーツマーケティングでは、SNSの活用も重要とされています。
なぜなら、近年ではSNSを利用・閲覧する人が増えているためです。
実際に、株式会社マクロミルが行った調査では、
「スポーツ関連情報を収集するためにSNSを使う人が55%で半数以上」という結果が出ています。
SNSのインフルエンサーに影響されて行動するユーザーもいるという結果も出ているため、これらを上手に活用すると影響力を高めることができます。
また、設定するターゲットによって利用するSNSを使い分けるという方法もよいでしょう。
参考:【速報】2022年スポーツマーケティング基礎調査 市場規模、スポーツ参加市場は昨年から横ばい、 スポーツ観戦市場は昨年比36.9%増と復調 | マクロミル
3. データの収集と活用
スポーツマーケティングでも、通常のマーケティングと同様にデータの収集と活用は欠かせません。
設定しているターゲットと実際に出ている結果を比較したり、施策ごとの結果を数値化したりすることで、ターゲティングや施策の見直しを行えます。
MAツールなどを活用し、それぞれのユーザーの興味・関心レベルによってアプローチを変えるという方法も有効です。
このように、スポーツマーケティングにおいてもデータの収集を行いPDCAを回すことは、よりよい結果を出すために重要なポイントです。
まとめ:スポーツマーケティングを成功させる!
今回は、スポーツマーケティングの成功事例を紹介しました。
スポーツにおいても、効果的なマーケティングには、ターゲティングやそれに沿った施策の実施を行う必要があります。
どのようなユーザー層をターゲットにするのか?というペルソナや、そのターゲットに適した施策を考え、PDCAを回していくことが重要です。 近年では特に、デジタルを活用しSNSや動画配信などでファンとの関係構築を積極的に進めていく必要がありそうですね。
今回紹介した3つの成功事例から重要なポイントを学んで、スポーツマーケティングを成功させるための糧にしましょう!