スポーツイベントの経済効果とメリットとは?7つの事例を紹介!
(※この記事は、2023年3月6日に更新されました。)
スポーツイベントが開かれると、必ず「経済効果が何億円になった」というようなニュースを耳にしますよね。
開催地域にはたくさんの人が訪れて盛り上がるとはいえ、金額の大きさにびっくりした事もあるでしょう。
スポーツイベントの開催は地域に大きなメリットをもたらしますが、実際にどれくらいの効果があったのか、一覧で見る機会はあまりありません。
本記事では、国家的なメガイベントから地域のイベントまで、スポーツイベントがもたらす経済効果について具体例をご紹介します。
スポーツイベントの開催を検討している方は、どのような効果があるのか参考になる情報も記載していますので、ぜひ最後までお読みください。
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スポーツイベントが開催地域にもたらす効果3つ
スポーツイベントが開催地域にもたらす効果としては、3種類が考えられます。
順番に見ていきましょう。
1. 経済効果
開催地域の企業やスポーツイベントに携わった企業、組織に大きな売り上げが見込めます。
また、後ほど解説しますが、宿泊施設やレストランはもちろん、各施設の関連企業や下請け企業もその効果を受けることができます。
直接運営に関わった企業だけではなく、地域の経済全体に嬉しい効果があるといえます。2.
2. 社会的効果
スポーツイベントの開催で見落とされがちなのが、社会的な効果です。
イベント開催で地域が一丸となり、地域文化や情報の発信、地域コミュニティの形成が促されます。
また、イベント開催のノウハウが地域に蓄積され、人材育成も進みます。
数値には表れにくい効果ばかりではありますが、スポーツとからめて地域の活性化がはかれるのは重要な効果だといえます。
3. 心理的効果
スポーツイベントの開催は、開催地の住民のメンタルヘルスにも影響を及ぼします。
スポーツをすること自体は、身体にも精神にもいい影響があることはよく知られていますが、スポーツの観戦を行なうだけでも精神的に満ち足りた状態になるのです。
2019年のラグビーワールドカップ後に行われた調査によると、開催都市住民はイベントによって幸福感が増したという結果が出ています。
楽観性、希望、適応力、自己効力感などが醸成され、2か月後まで効果が持続していたという内容からも、スポーツイベントが心理面に与える影響が分かります。
こちらの効果も数値では測りにくい面がありますが、スポーツイベントの盛り上がりで精神的にもプラスの影響があると言えるでしょう。
スポーツイベント経済効果とは!
ここまでスポーツイベントがもたらす効果を解説してきましたが、特に経済効果に焦点をあてて見てみましょう。
スポーツイベントの経済効果は、大きく分けて下記の3つを合計して算出されます。
1. 直接効果
スポーツイベントが開催された際、訪れたファンや観客がお金を使ってくれる効果を指します。
交通費、宿泊費、お土産代、飲食費、グッズ代など、直接購入してもらった企業の売り上げが向上します。
2. 一次波及効果
ファンや観客が物品やサービスを購入してくれると、その物品やサービスを提供している関連企業なども同時に潤います。
たとえば飲食店に食材を納入している企業、グッズを作っている企業などです。
これを一次波及効果と呼びます。
直接効果を受ける企業だけではなく、取引がある関連団体や企業も売り上げが向上するため、結果として経済効果は大きくなります。
3. 二次波及効果
さらにスポーツイベントは、直接効果や一次波及効果によって企業が売り上げを伸ばすと、従業員給料が上がるなどの効果をもたらします。
二次波及効果は、そういった企業の従業員が昇給分で普段より物品やサービスを購入することを指します。
単に開催都市や特定の企業の収入が上がるだけではなく、さまざまな方面に波及していくので、大きな経済効果が見込めるのです。
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イベント別 経済効果の具体例7選
経済効果とはどのようなものかを理解した上で、スポーツイベント別にどれくらいの経済効果があったのかを見ていきましょう。
国家的なメガイベントや、地域で開催された比較的小規模なイベントまで、さまざまな事例を集めてみたのでぜひ参考にしてください。
1. 2019年ラグビーW杯
2019年のラグビーワールドカップは、アジア初開催とあって国内外から多くの人が訪れました。
チケット完売率も99%と高く、素晴らしい盛り上がりを見せました。
開催期間が44日と長かったため、海外から訪れたファンの滞在日数も自然と多くなり、結果としてお土産代や観光代が多く消費されました。
公益財団法人ラグビーW杯2019組織委員会の「開催後経済効果分析レポート」にこのイベントの経済効果が発表されています。
直接効果3,157億円、第一次波及効果が2,172億円、第二次波及効果が1,135億円で合計「6,464億円」とされています。
大会により46,000人の雇用の創出・維持
スタジアムが作られた
訪日客数242,000人、平均滞在日数17日
大会の結果、日本はラグビーの主要国として認識されるように
など。
2. スポーツ球団の優勝
プロ野球球団やサッカーチームの優勝は、地域外からもファンが駆けつけるため、大きな経済効果が見込めます。
優勝セールによる売り上げの増加や、ファンの飲食代、飲酒代の増加など、球団のある地域に大きな効果をもたらします。
たとえば2003年に阪神タイガースが優勝した際は、関西大学の宮本勝浩教授の試算によると、経済効果は「1,481億円」にものぼりました。
また、2016年から2018年まで連続優勝した東洋広島カープも、中国電力の試算によると、各年で350億円以上、3年間で「1,060億円」の経済効果が得られたとのことです。
3. ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
地方で開催されるスポーツイベントの経済効果も見逃せません。
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムは、さいたま市が設立したさいたまスポーツコミッション(SSC)が主導となって行っているイベントです。
さいたま市の新都心エリアを走るサイクルロードレースで、出場選手がツール・ド・フランスのように市街地を駆け抜けるとあって、多くの観客で賑わいました。
SSCが発表したツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの経済効果は、7年間で約「200億円」にまで及んでいます。
4. ツール・ド・とちぎ
ツール・ド・とちぎは、栃木県内全市町を舞台とした国際公認のサイクルロードレースです。
コロナ禍の影響などもあり、2019年の第3回大会までで惜しまれながらも中止となりましたが、開催中は多くの経済効果をもたらしました。
内閣官房・内閣府総合サイト内にある、「自転車先進県とちぎサイクルツーリズム推進計画」の資料によると、各年11億円以上、3年間合計で「34 億円」の経済効果が報告されています。
地方創生の成功例として、現在でも多くの団体に参考にされています。
5. FIBA 3x3 World Tour
FIBA 3x3 World Tourは3人制バスケットボールのクラブチーム世界一を決める大会です。
宇都宮市はここ数年開幕戦の開催地になっており、多くのファンが訪れます。
宇都宮市の発表では、コロナ禍の影響もあって数年経済効果が限定的となっていましたが2022年は徐々に回復しているとのことです。
2022年の経済効果は「4億8,200万円」で、のべ48,000人が来場しました。
3年前に比べ飲食代は2倍、土産代も3割増加を見せるなど、勢いは戻りつつあります。
6. さいたマーチ
「さいたマーチ〜見沼ツーデーウオーク〜」は、さいたま市が開催するウォーキングイベントです。
開花時期が合えばお花見も楽しめるため、自然に親しみながら健康づくりを行えるイベントとして親しまれています。
さいたまスポーツコミッション(SSC)の発表によると、さいたマーチの経済効果は7年間の合計で約「7億1,690万円」となっています。
7年間でのべ42,337人が参加した人気イベントで、飲食物販売を行う「さいたマーケット」も同時開催し、経済効果を高めています。
7. 丘のまちびえいセンチュリーライド
北海道の美瑛町は「丘のまち」という特色を活かした地域振興を行っており、サイクルイベント「丘のまちびえいセンチュリーライド」を定期的に開催しています。
2022年で第13回目をむかえ、北海道の中でも長年続いているイベントとして有名です。
経済産業省 北海道経済産業局の「サイクル・イベントの経済波及効果調査報告書」によると、2016年の同イベントの経済波及効果は、美瑛町内へは「約 1,453 万円」でした。
北海道全域へ与えた効果も高く、経済波及効果は「約 6,800 万円」と算出されています。
事業費が約 1,800 万円だという事を考えると、北海道全域にわたって事業費の約3.8倍もの経済波及効果をもたらしたといえます。
スポーツイベントが開催地域にもたらす経済効果は大きい!
スポーツのイベントは開催地域に大きな効果をもたらします。
経済に及ぼす影響も大きく、地域のみならず日本全国の経済を活性化させます。
本記事では、スポーツイベントが開催地域にもたらす効果について解説し、スポーツイベントの経済効果の具体例をご紹介しました。
スポーツの振興を促しながら地域経済も大きく発展させる、まさに嬉しいことづくしのスポーツイベント。
今後もスポーツイベントの企画や開催例が、ますます増えていくことでしょう。
「地方を元気にする企画を何かやりたい!」と思っている方は、ぜひスポーツイベントの開催を視野に入れてみてくださいね。
最後に、スポーツイベントの企画や開催で便利に使えるツールをご紹介します。
ダイアモンドスケジュールはスポーツのスケジューリングツールとして、多くの国で実績があります。
大会開催のわずらわしい事務処理を極力なくし、大会運営に集中して取り組めます。
スポーツイベント開催にあたっては、便利なツールの導入も併せて検討してみてください。