現役ドラフトの仕組み・ルールとは?メリットやデメリットまで徹底解説
ニュースなどでも多く取り上げられたことで、注目を集めているプロ野球の現役ドラフト。
野球経験者にとっては当たり前ですが、仕組みやルールなどを知らない方も多いでしょう。
そこで本記事では、そもそも現役ドラフトとは?という視点から仕組み・ルールをはじめ、メリットやデメリットなどを詳しく解説していきます。
現役ドラフトの仕組み・ルールや、メリットやデメリットを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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現役ドラフトとは?
現役ドラフトとは、2022年12月9日に実施された、日本野球機構(NPB)初の試みとなる、プロ野球において出場機会が限られている現役選手のための新しい制度です。
各球団が、自分たちのチームでプレーする機会が限られている選手をリストアップし、他のチームがその選手を指名して移籍できます。
この制度は、出場機会を得る機会を増やし、選手たちに新たなチャンスを提供することを目的としており、日本プロ野球選手会が実施を要望していました。
また、現役ドラフトの対象選手は非公開です。
現役ドラフトの対象となる=トレード要員の候補とも言えますので、選手の心情に配慮した措置となっています。
現役ドラフトの仕組み・ルール
現役ドラフトには主に3つの仕組み・ルールがあります。
各球団2名以上の登録選手をリストアップする
各球団最低1名の選手を指名する
指名対象から除外される選手が存在
それぞれ詳しくみていきましょう。
仕組み・ルール1:各球団2名以上の登録選手をリストアップする
各球団は登録選手から最低2名以上の選手を指名対象としてリストアップしなければなりません。
他球団からの指名は、提出された名簿内の選手に限定されます。
提出しなかった選手は指名の対象外です。
仕組み・ルール2:各球団最低1名の選手を指名する
各球団は現役ドラフトにおいて、最低1名の選手を指名しなければなりません。
つまり、全体で最低12名の選手が移籍することになります。
仕組み・ルール3:指名対象から除外される選手が存在
以下の条件を満たす選手は、現役ドラフトの対象から除外されます。
FA権取得選手
FA権を行使したことがある選手
育成選手
複数年契約の選手
前年のドラフト会議で指名された新人選手
年俸5000万円以上の選手
外国人選手
前年シーズン終了翌日以降のトレード獲得選手
シーズン終了後に育成から支配下となった選手
年俸が5000万円以上の選手は対象外ですが、1名に限り5000万円以上1億円未満の選手を対象とすることができます。
現役ドラフトの指名方式
現役ドラフトの指名順は、通常のプロ野球のドラフト会議とは異なり、特殊な仕組みを採用しています。
以下の順番で進行していきます。
最初に指名できる球団を決定し指名
選手を放出した球団が指名
二巡目は一巡目と逆順で指名
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.最初に指名できる球団を決定し指名
最初に指名権を獲得できるのは、12球団全てが希望する選手を1人ずつ挙げ、最も多くの票を集めた球団です。
指名権獲得の球団を決める仕組みは、以下の例の通りです。
例)
X球団が6票、Y球団が4票、Z球団が2票とした場合、X球団が最初の指名権を獲得します。
指名権を獲得した球団が選手を指名すると、指名された選手は指名を受けた球団への所属が決定します。
2.選手を放出した球団が指名
最初の投票及び指名後、選手を放出した球団に指名権が移ります。
すでに指名している球団から獲得された場合、指名していない残りの球団で、最初の投票の際に得票が多かった球団になります。
3.二巡目は一巡目と逆順で指名
二巡目の指名を行う際には、一巡目とは逆順で指名が行われ、最初に指名権を持った球団が最後に指名することになります。
このような特殊な指名順の仕組みを採用することで、公平な機会を確保し、競争を促進します。
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現役ドラフトのメリット
現役ドラフトにおけるメリットは以下の通りです。
選手のキャリア発展
日本プロ野球の活性化
球団の戦力強化
ファンへの新たなストーリー提供
それぞれ詳しくみていきましょう。
選手のキャリア発展
出場機会に恵まれない選手にとって、現役ドラフトは新たなチャンスです。
他の球団に移籍することで、選手は自身の実力を証明し、プロ野球でのキャリアを発展させる機会を得られる可能性があります。
日本プロ野球の活性化
現役ドラフトはプロ野球リーグ全体における競争を活性化させます。
各球団が有望な選手を探し、獲得するために競い合うことで、選手の価値が向上し、リーグ全体のレベルが向上します。
球団の戦力強化
出場機会が限られる選手を獲得することで、球団は必要なポジションを補強し、戦力を強化する機会を得ます。
特に貴重なポジションや特定の能力を持つ選手を獲得できる可能性があります。
ファンへの新たなストーリー提供
現役ドラフトはファンにとっても興味深い要素です。
新たな選手が他の球団に移籍し、そこでどのように活躍するかというストーリーが生まれ、ファンの関心を引きます。
現役ドラフトのデメリット
現役ドラフトにおけるメリットは以下の通りです。
選手の不安定性
選手の選択権制限
球団の戦術的課題発生リスク
ファンの不満・喪失感
それぞれ詳しくみていきましょう。
選手の不安定性
選手は現役ドラフトを通じて他の球団に移籍する可能性があるため、安定感のないキャリアを送ることがあります。
この不安定性は、選手の精神的な面や家庭生活に影響を及ぼすことがあります。
選手の選択権制限
現役ドラフトに参加する選手は、どの球団に移籍するかを自由に選ぶことができません。
指名された球団に所属する義務があるため、選手の自己決定権が制約されます。
球団の戦術的課題発生リスク
現役ドラフトは球団にとって戦術的な課題をもたらすことがあります。
どの選手を指名するか、他の球団の動向を考慮しながら戦略を練る必要があり、誤った判断が結果に影響を与える可能性があります。
ファンの不満・喪失感
ファンにとって、お気に入りの選手が他の球団に移籍することは感情的なショックを与えることがあります。
ファンは選手に忠実であることが多く、選手の移籍を受けて不満や喪失感を抱くこともあるでしょう。
このように、現役ドラフトは競争とチャンスの提供という面でメリットがありますが、選手や球団に対する一定の課題や制約も伴います。
そのため、バランスを取りながら制度を運営することが重要です。
2022年の現役ドラフト指名選手一覧
2022年の現役ドラフト指名選手の一覧を以下表にまとめました。
参考:パ・リーグ.com
2022年の現役ドラフトは、各球団1名ずつの指名であったため、一巡目で終了しました。
今年2023年の現役ドラフトはいつ?
2023年の現役ドラフトがいつ行われるかは、まだ発表されていません。
2022年の現役ドラフトは12月9日(金)13:00〜の実施であったため、おそらく今年2023年も12月上旬の実施が想定されます。
現役ドラフトには選手にとって大きなチャンスなどのメリットがある一方で、特に選手にはデメリットもある制度です。
指名された選手はこのチャンスを掴み取り、日本プロ野球でのキャリアを発展させて欲しいですね。
現役ドラフトの仕組み・ルールを理解し、指名された選手に注目しながら、みんなで応援しましょう!